<Header>
<Author: 陳子昂>
<Title: 白帝城懷古>
<Format: 格式不明>
<Year: 1964>
<BookName: 唐詩選　上>
<Translator: 斎藤晌>
<style: 現代文無假名>
<style2: 日本現代譯文無假名標注>
<TranslatedTitle: 白帝城懷古>
<BookPage: 266>
<UsedPage: 1>
<Feature: 1, 4>
<End Header>
<Poem>
日落滄江晚，
停橈問土風。
城臨巴子國，
臺沒漢王宮。
荒服任周甸，
深山尚禹功。
巖懸青壁斷，
地險碧流通。
古木生雲際，
孤帆出霧中。
川途去無限，
客思坐何窮。
<End Poem>
<Translation>
日が沈んでゆく長江の夕方、舟をとめさせて、この土地の氣風や風俗をたずねた。白帝城は古代の周のときの巴子の國をひかえていて由緒は古い。三國のときの蜀漢の王がいた永安宮のあったところだが、樓臺は跡かたもなくなっている。荒れはてた田舍だけれど、これでも周王朝の版圖に屬し、れっきとした中國古來の土地である。大禹が掘り割った水路が今でも歴然として、この深山の奥にのこっている。空中にかかっているように見える岩石の下には青みがかった崖が切り立ったように直立し、けわしい地勢のなかをあおい水がたぎり流れてゆく。古木が雲のきわからはえており、歸ってゆく舟の帆が霧の立ちこめる水面からぽっかりとあらわれ出てくる。これからの長江の旅路ははてしなくつづいている。そぞろに起こってくる旅のおもいもまたつきせぬものがある。
<End Translation>
<Formatted Translation>
日が沈んでゆく長江の夕方、
舟をとめさせて、この土地の氣風や風俗をたずねた。
白帝城は古代の周のときの巴子の國をひかえていて由緒は古い。
三國のときの蜀漢の王がいた永安宮のあったところだが、
樓臺は跡かたもなくなっている。
荒れはてた田舍だけれど、これでも周王朝の版圖に屬し、れっきとした中國古來の土地である。
大禹が掘り割った水路が今でも歴然として、この深山の奥にのこっている。
空中にかかっているように見える岩石の下には青みがかった崖が切り立ったように直立し、
けわしい地勢のなかをあおい水がたぎり流れてゆく。
古木が雲のきわからはえており、
歸ってゆく舟の帆が霧の立ちこめる水面からぽっかりとあらわれ出てくる。
これからの長江の旅路ははてしなくつづいている。そぞろに起こってくる旅のおもいもまたつきせぬものがある。
<End Formatted Translation>